阿佐ヶ谷chillout

何もないから寒い

fxxkin' decklog: "Tengen Toppa" (Modern)

WARNING!!

A LONG ARTICLE
FXXKIN' DECK
IS APPROACHING FAST

警告:この記事はクソデッキが含まれています




0章:増長編

久々の晴れる屋平日3-0を親指様のお力を借りて達成した鷺ノ宮はわかりやすく調子に乗っていた。
魑魅魍魎が跋扈するモダンの地に、マスターピースを打ち立てたのだから自信の一つにもなるだろう。

宇宙を掴むその日は、そう遠くないという確信。
望む姿は、もう目の前にある。


さあ───デッキを組もうじゃないか。


1章:邂逅編













ネクストレベルゼウス……………








了解!


2章:構築編

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副陽の接近。

4月末に発売された最新ブロック「アモンケット」収録のカードの中でも異彩を放つ、『特殊勝利条件カード』。
こういうカードは条件を満たすために当然専用のデッキ構築が必要であり、つまりデッキビルダーにとっては越えたくなるハードル、登りたくなる山である。


だがしかし、このカードは「ゼウスサイクリング」として既にスタンダード環境で結果を残しているのだ。
MtGで言うゼウスとはそう…日本が世界に誇る伝説的デッキビルダー、浅原晃氏を指す言葉だ。
氏の組むデッキは常軌を逸しているどころかしっかりと結果を叩き出しており、日本中のデッキビルダーの憧れであり最終目標でもある。

つまりこのカードに挑戦するということは、神に挑戦するということに他ならない。
比喩でもなんでもなくそうなのだ。

「宇宙への挑戦」をテーマに掲げる僕としてはまるで早くも最終回のような挑戦だが…。

前回の記事が"月への挑戦"だとするならば。

今回は明確に、"太陽への挑戦”となるのだ。


避けようのないこの符号に気づいてしまったからには。
覚悟して、挑まねばならない。


まずこのカードは既にスタンダードでは十分すぎる結果を残している。
戦乱のゼンディカーブロックがまだ使えるとはいえ、昨今のスタンダード環境ではこれ以上のイノベーションは望むべくもないだろう。あとスタンのカードBGのパーツしか持ってないしめんどい

このデッキを組むという挑戦はもともと、GP神戸での、モダンでの後悔を払拭するためのもの。
そして何より、魑魅魍魎が跋扈するモダン20時の部が僕を待っている。

今回のミッションは、「モダンで神を超える」ことで決まりだ。






しかし、冒頭で早くも了解したのには理由がある。
何を隠そうチャットで話を振られた瞬間、既に僕の脳内にはデッキが完成していたのである。
それがこれだ。




◼︎4 クリーチャー
4 瞬唱の魔道士


◼︎32 呪文
4 謎めいた命令
4 副陽の接近
4 差し戻し
4 睡蓮の花
3 マナ漏出
2 拘留の宝球
2 呪文嵌め
2 糾弾
2 流刑への道
2 至高の評決
1 求道者テゼレット
1 太陽の勇者、エルズペス
1 スフィンクスの啓示


◼︎24 土地
7 島
4 啓蒙の神殿
4 溢れかえる岸辺
4 石灰の池
2 神聖なる泉
2 金属海の沿岸
1 平地

dig.cards




またコントロールじゃねーか…

先の成功体験に引っ張られているのが見え見えだが、とにかく今回もコントロールのフィニッシュブローとして副陽の接近を使おう、ということである。
しかし普通に7マナで唱えたのちまた次を引き込むまで耐えるというのはちょっと悠長すぎるし、それならコインでも投げたほうがマシという話になってしまうわけにはいかない。

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そこで一度目のキャストに対応して差し戻しで手札に戻すことで次のターンに完全勝利するというプランを取ることにした。というか検索したらそんな感じで考えている人がいたのでありがたく拝借した


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それでも必要な9マナのために、一時的にでも巨大なマナにたどり着く必要がある。
だがコントロールデッキでマナファクトやマナクリーチャーを唱えるのはスマートではない…
そこで睡蓮の花と、時のらせんで登場した貯蔵ランドである石灰の池を投入することにした。
求道者テゼレットと睡蓮の花は古くからのテゼレッターなんかにも入っている、マイナスXの効果を0で起動することで忠誠度を減らさずに睡蓮の花を直に場に出すことができるギミックだ。


これである程度マグロのターンはできてしまうが、勝ち手段を副陽の接近に絞ることで太陽への挑戦という名目が成り立つだろう…
そう、考えていた。








……だが、脳内では疑念が浮かんでいたのだ。



「本当にこれでいいのか?」



確かに副陽の接近を使うことはできるかもしれないが、正直それ以外のアイデアが乏しい。
ゼウスサイクリングは1ターン中の高速連続サイクリングからマナを延ばしドローを進め、最終的にそのまま副陽の接近で勝つという唯一無二の構築をしている。
それに比べ、従来の青白コントロール数枚のノイズを加えているだけのこのデッキは…
天に座す太陽を讃えてはいるものの、「超える」ことはできていないのではないか、と思ってしまったのだ。


それに何より、良い「符号」が見つからなかった。
いっそデッキに入っている流刑への道を全部太陽の槍に変えたりしてカード名に「太陽」が含まれているカードだけでデッキ組んで「オレ自信が太陽になることだ」とかやろうかとさえ悩んでいた。太陽の騎士エルズペスもいることだしな…




──そんなときに突然、

とあるカードが発見されたのだ。












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双子化のガラス。

デッキコンセプトを先に伝えて相談していた友人のよほろさんから急にLINEで届いたこのカード。


このカードさえ先に場に出しておけば。

副陽の接近+差し戻しの9マナではなく、8マナで、

しかも同一ターンに二回目を唱えて勝利できる。




これだ。
これこそが…天を突破するための武器。


即ち、今回の符号(コンセプト)は。





に座す

ネタのデッキを

突破する



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◼︎4 クリーチャー
4 前兆の壁

◼︎34 呪文
4 副陽の接近
4 差し戻し
4 祖先の幻視
3 拘留の宝球
3 予言により
3 睡蓮の花
2 謎めいた命令
2 糾弾
2 双子化のガラス
2 流刑への道
2 審判の日
1 求道者テゼレット
1 バラルの巧技
1 スフィンクスの啓示


◼︎22 土地
4 啓蒙の神殿
4 島
4 溢れかえる岸辺
3 沸騰する小湖
2 石灰の池
2 神聖なる泉
2 蒸気孔
1 平地


◼︎15 サイドボード
4 均衡の復元
4 大いなるガルガドン
3 神聖の力線
2 払拭
1 バラルの巧技
1 予言により

dig.cards





クソデッキ、爆誕。


早速解説して行こう。
まず双子化のガラスによる二回目のキャストは、文面通り手札に2枚目が無いとできないので、「出来るかぎりカードを引き込みたい」というオーダーが生まれる。
そのためには差し戻しや謎めいた命令、血清の幻視だけではもはや足りないのだ。

モダンで最強のドロースペルとはつまり。


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祖先の幻視。

そしてこれを使うと、デッキに待機呪文が2スロットとなる。
となればアレを使うしかあるまい。


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予言により。

このエンチャントを経由することで「マナコストが無い呪文」を「マナコストを支払わずに唱える」ことが可能になる。
この上にカウンターが乗っていくことで、キーカードとなる差し戻しや双子化のガラス、果ては副陽の接近そのものを踏み倒して唱えることすらできるのだ。

ならばもはやいたずらに土地を伸ばす必要がなくなるため、デッキの大幅なシェイプアップが可能となる。
コントロールからの脱却を図り、最低限のパーツのみで耐えつつ立ち回るコンボデッキの姿が見えて来たのだ。
ちなみに祖先の幻視と睡蓮の花は待機明けでも予言によりでも、そのターン中に唱えてさえいれば双子化のガラスの条件を満たすため、手札に複数枚引いてしまったとしても使いまわせるルートが開拓されるのだ。双子化のガラスを置いたターンに追加でドローすることにどのくらい意義があるのかわからないが
双子化のガラスはやはり、今まで諦めていた道を切り拓く"武器"だったのだ。


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元のリストからすると相手に干渉しないヤバすぎるカードが増え、特に予言によりや双子化の設置するターンが完全にマグロであるため、常に構え続けなければならない打ち消しよりも後から処理できる除去カードを増やすことで対応した。
そうなると待機カードとの噛み合いもよくない瞬唱の魔道士も入れる必要がないため、カードを引きながらも場を守れる前兆の壁を採用。
他には相手の手数が増えることよりももっと攻勢を止めることに注力した結果、流刑への道のほかに糾弾を取ることにもした。
全部糾弾にしてもよかったがシステムクリーチャーに触れないのが少し怖かったので暫定的にではあるが2:2で分けている。

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予言によりに加えバラルの巧技を使うことで、スタンダードの霊気池よろしく盤面をクリアにしながら双子化のガラスを置いたり、待機呪文を待機なしで唱えることもできる。
前兆の壁を巻き込むことで、ならず者の精製屋を出し直すティムール霊気池の同様の散々対面にされたことのあるクソな動きが可能になるのもポイントだ。


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全除去である審判の日は再生を許すが、正直全除去の中で一番安かったので採用した。結構他にもパーツ買ってたので節約を…あと審判の日の方がなんとなくグレンラガン本編に近いかなと思って…


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そしてサイドからはついにグレンラガンガルガドンが発進し、ガルガドンバランスになるというテクニック。
これは神である浅原晃氏がGP神戸で使用していたURストームのサイドから着想を得ている。っていうかそのまま真似した
あとはアグレッシブサイドをするのに15枚のサイド枠を全て使いきれなかったので、いっそグレンラガンの登場人物を見立てたPWのカードでも入れておくかと思ったが、
結構長いこと一人回しをしている最中に追加で欲しくなった様々なカードを入れることでソリッドに仕上げることにした。あとヴィラル枠の復讐のアジャニが高かった


今回のデッキもリアルで組んでしまったが…今回の構築は一つ異なる点がある。
長らくこのブログを読んでいる特異な読者たちというか仲間内はお気づきかもしれないが、
僕が手元で組めるカラーのデッキはジャンド・アブザン・グリクシスだけで、実は青白のフェッチランドを持っていないのだ。
なんなら祖先の幻視も2枚足りないのである。

だからつまり、上記の写真に写っているカードは、アイデアを出してくれたよほろさんからの借り物なのだ。
そしてこのカードたちを快く貸してくれたよほろさんは、デッキを制作していた週にちょうど、仕事が炎上していて休日返上で命を削って頑張っていた

だからこの青白フェッチと祖先の幻視と予言によりは全て。
命を賭して戦った男から託されたものだと言えるのだ。




よほろさんがアモンケットの予約価格で買ったのにどの環境でもあんまり使われず値崩れしたこの予言によりを…



よほろさんのこの想いを…



アニキ*1のカードを…無駄にはしない!!








オレが必ず…天を貫いてみせる!!!




3章:激闘編


大グレン団、晴れる屋20時の部に参上。


月曜日の平日大会は無料なので自信のないクソデッキを試すにはうってつけのタイミング。


前作アポロ13と異なりもはや既存のデッキの改造に留まらないこのデッキは、神への挑戦に相応しい新たな武器。



行くぜアニキ(のカードたち)



無理を通して道理を蹴っ飛ばす!!




R1 エルドラージトロン

G1:相手の難題の予見者を差し戻し→クリコマと繋いで完璧に時間を稼ぎ、一発目の副陽を打って7枚目に置いたあと、占術と前兆の壁と相手の予見者を拘留の宝球で退かして1ドローして高速で掘り進め、これは勝ち確だなとニコニコで相手の予見者に対応してスフィンクスの啓示をx=3で打ったら計算間違えてて仕込んだ副陽の接近をちょうど引いてしまいそのまま追放されて殴り切られて負け。クソミスすぎる。

G2:予定通り10枚を入れ替えてガルガドンバランスに変身するもガルガドンをなかなか引かず、それでも相手の動きがとにかくもっさりしてたので打ち消し連打のちスフィンクスの啓示をx=6で打ってめっちゃ気持ちよくなってたら相手が投了した。

G3:ガルガドンバランスのまま続投するもパーツがハンドに揃わず魂の洞窟から出てきたエルドラージに殴り切られて負け。チャリスx=1で置いてくるような相手だったのでバリスタにクリコマをバウンス+1ドローで打ってたら普通にサクられてフィズったりとか、ナメてミスるとかダサすぎる。もうちょっとやりようあったなとガチの反省。

R2 ナヤタイタンシフト+ナヒリ

G1:マリガンから入った相手がナヒリ設置するもそれ以上土地が伸びず、こっちは1ターン目ビジョン待機ロータス待機ロータス待機のぶん回りから無事に副陽を2枚引き込んだので5tテゼレットでx=4のガラスサーチセットからの6t天元突破。

G2:ヴァラクートに加え裂け目の突破や召喚士の契約のルートもあるため貫禄の15枚チェンジ。場に出たナヒリを拘留の宝球で追放しつつうまく長引かせて予言により+ガルガドン待機セットまで行くも、いつサクればいいのかわからず数ターン待ってたらブリーチ→タイタン→タイタンで三枚目が打ち消せずヴァラクートで一気にライフ削られて終了。日和過ぎ!!!

G3:マナ加速から入った相手を今度こそはミスらないぞと4t予言により→ガルガドン待機→均衡の復元で土地全部なくして、相手の場が整う前に予言によりがカウント4になったからクリコマを構えつつガルガドンが二回どついて勝ち。ガルガドンバランスってこういうことか!!!たーのしー!!

R3 バント人間

G1:2体並んだ貴族の教主を拘留の宝球し、前兆の壁で耐えつつ1回目のカンパニーの返しで審判の日で1:4交換するも手札から2回目3回目のカンパニーが出てきてさすがに耐えきれず投了。

G2:前の試合で土地引きすぎたら負けるなと思い貯蔵ランドを1枚減らしたのがうまくいったので今回も1枚減らしたら1tビジョンの待機明けに4枚ドローしても4枚目の土地にたどり着かずクリコマ2枚と審判の日を抱えたまま死亡ちくしょーなんでだー!!



戦績:1-2。




4章:完結編


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あばよ…副陽……


1-2という終了のスコアでした。
しかし自分のミスで負けてるぶんの印象が強かったのと、元々コントロールの耐える動きが好きなのもあったので、デッキ自体は結構気に入ってます。
元のリスト見てもらえればわかるかもですが結構1人回ししてコンボとコントロールのギリギリのラインを探ってたので、親指よりは愛着がありますね。

とはいえミスしすぎ。R3のバント人間もやることないなと思って適当に双子化のガラス置いた隙にカンパニー撃たれたり、そもそも全ラウンドで予言によりのカウンターと待機呪文のカウンター処理を忘れて相手に教えてもらってたりするので、デッキ以前の問題だったような気もします。
フェッチ込み土地22だと途中でドロー含めて4マナまでギリギリ伸びるか伸びないかの枚数だってことは前回のブルームーンの時に理解してたはずだったのに…。

でもサイドのガルガドンバランスはかなり楽しかったなー。てか最初からガルガドンバランスでいいのでは?
副陽もメインの勝ち筋としては遅いデッキにハマれば十分勝てるのもわかったし、そこからサイド後全く別のデッキになること自体は成功してる感覚があって流石のゼウステクだなと思いました。
何事もやってみるもんだね。

一応構築の話もしておきます。
邪魔に感じたのは何を差し置いても双子化のガラス
デッキのコンセプトを成すとはいえ別にテゼレットで探せるので1刺しでよかった。2枚引いたら必ず死ぬので…
あとサイドのバラルの巧技2枚目も邪魔だった。
結局ハンドに来たのを唱えるカードとしては重いし、バウンスもあまりうまく使えない。前兆の壁を戻すとか言ってたやつ誰だ?
メインはガラスの2枚目をクリコマの3枚目に、サイドのカードは白力線の4枚目か追加の除去を取るともうちょっとソリッドに戦えると思います。
アモンケット全然剥いてないから持ってないけど排斥なんかは、色拘束軽くてクリコマの裏の選択肢になってダメなときドローに回せてとかなりいい感じに運用できそう。
…要するにコントロールデッキに近づけたいだけで結局前回と同じじゃねーか!!


予言によりのスポイラーに合わせて均衡の復元は買ったけど境界石をめんどくさくて買ってない人とか、
青系のコントロール組みたいけど天界の列柱だけ持ってない人はぜひ一回使ってみてほしいですね。神戸終わって天界の列柱もまた安くなってきたけどね

まだまだこのデッキには進化の余地があることは間違いない…
明日のゼウスはこれを読んでいる君かもしれない。


デッキのアイデアだけはいっぱいあるので、これからも色々組んで行きます。
ってか早く組んで試してってしないと破滅の刻が出てしまう!凄い面白そうなカード多いしやっていきます。
20時の部でまた会いましょう!













*1:よほろさんは僕より年下です