阿佐ヶ谷chillout

何もないから寒い

カイシゼミナール公開授業「有馬トモユキのデザインプロセス」

how-to-design.room-composite.com

カイシトモヤ先生のゼミの公開授業に行ってきた。毎年所謂「二次元もの」のデザイナーの話を聞く授業で、一昨年くらいからずっとカイシ先生のファンの子と一緒に参加している。今年は有馬トモユキさん。確か去年のBALCOLONYの染谷洋平さんもそうだったんだけど、具体的なデザイン部分の話は変態的な作り込みにただただ圧倒され放題だった。その前段としての「そうしようと思った動機」の部分が特に刺激的で、聞いてるうちに自分の中でどんどんやりたいことや知りたいことが湧いてきてヤバかった。以下は誰かに読んでほしい記事じゃなくて自分用のメモになるのであんまり気にしないでください。


・個々のデザインを有機的に繋げて行って「一貫した体験」を作ること=デザインの機能
グラフィックデザインはいつか全部つながるというカイシ先生の持論を僕も指示してやまないけど、デザインを繋げて機能させる手法についに辿り着いてしまった感が凄い。今思えば僕もずっとやりたいことはそれだって思ってタイポグラフィ・サイン・インフォグラフィックスの分野にその片鱗があると感じて学んでたけど最終的に見えてきたソレはもっともっと有機的な何かだった。多分ブランディングをやりたいって簡単に言ってしまうクラスメイトたちの中にも同じことをしたがってた人がいるんじゃないかと今振り返ると思う。Apple的な一貫したデザインをやりたかったってことじゃないかと…あとはゲームもコントローラーを握ってる間はずっと「一貫した体験」の中にいる気がする。そうなるとアルドノア・ゼロとかが最終的にどれだけのことを制御下に置いてたのかの比較をする必要がありそう。いまのところ「一貫した体験」は一貫した体験としか呼称できないのか、具体化しないほうがいいと僕も思うけど

・「一貫した体験」を作ることはアルゴリズムにはおそらく不可能=未来に残る仕事である可能性が高い
例に漏れず仕事でAI関連の分野に触れると必ず未来になくなる仕事の話にぶち当たるんだけどそのたび言うてデザインの仕事はなくならんよねとは思うもののどういった仕事なら残るのかがわからなかった、答えのピースを手に入れた。その上で自分のいまの立ち位置を考えるとこのままではヤバい感もすっごく。

・自分たちの専門分野に歴史を意識すること、着目してるけど明文化されてない歴史がたくさんある
・歴史が理解できると文脈に沿ったものが作れるし有能
自分にとってどうだったかを掘り下げてくうちに見えてきた過去のことがたくさんあって、分析したことをブログに書くことがとても意味あることに思えてきた。僕にとってのシスプリとかSDガンダムとかドリキャスのソフトとか書きたいことが無限にあって多分全部ちゃんと意味ある。フォスフォフィライトか?

・こうあって欲しいと思うことを一つ一つ実装していく(原点)
・実現したいビジョンのために自分の能力を客観的に把握する(自分だけではできないことがあると理解する)
芦名佑介さんが言ってたのと同じ。有馬さんも自分にとっての原点はこれですというところから話をしていてその後全体通して共感値がものすごく高かった。後者は僕は全然できてなくてカッコつけるし見栄は張るし他人は信じないしで最悪。ほんとうに良くない。

・所属も立場も違うけど自分が好きな人と仕事をしたい
仕事となるとものすごく理想感が出てくるけど「合わない人は合わない」とするのはローリーさんのインタビューと同じで、マジックをやることで何か精度が高まっていくといいなと思った。割り切りというか。

・属人性とチームの力
どちらも非常に感じるところがあるもののうまく繋げられない。何でどうやってそれが作られてるのかを細部まで分解していく必要があると思う。0→1の凄さと1→100の凄さの違いと同じか?1を2にしていく瞬間をもっと意識しないとなのか。


前半の「一貫した体験」の事はすごく納得が行ったので仕事的現状把握と今後を考える必要あり。後半のチームでの運用に関しては仕事に繋げられないかわりにマジックの中でやってみたいことがあって、その為には何か具体的なビジョンが必要だけどすぐにはまだ怪しい。あと仲間の探し方聞いておけばよかった。きっとこの二つを有機的に結びつける何かが見つかると人生が超面白くなりそう。
人と会って話すのは利しかないから動いたほうが絶対いいなと確信を持ちつつ自分より頭の良い人の話を聞くと脳が活性化するなーと久々に思いました。おわり