僕がカレーを作るようになるまで PART.2
前回のつづき
胎動
豚バラブロックを使ったカレーを三回作ったが豚の味にも若干飽きてきた。味を変える必要がある。ちなみにカレー自体の味には飽きていない。カレー大好き。まだまだモリモリ食べたい。
ちなみに三回目の豚バラブロックカレーの時に、いつも買い出しに使うSEIYUで豚バラブロックのセールが始まった。グラム140円がグラム98円。いつも500gくらい買うので200円くらい安くなるのが嬉しく、これを購入して金曜夜にさっそくカレーを作った。
1.じゃがいもは小さめ、玉ねぎは細切り、にんじんは薄めのいちょう切り、豚バラを一口小に切る
2.鍋に入れ水を加えて煮る際、固形コンソメを加える
3.ルーを入れるタイミングで中濃ソースを加える
4.ごはんとゆで卵にかけて食べる
適当に「家 カレー おいしい」とかで検索して出た記事を参考に、隠し味的な調味料を加えてみた。使っていない調味料が家にあってよかった。
ルーを入れる前は豚ダシの野菜スープ、いやスープにしてはじゃがいもが大きいのでポトフのような雰囲気の鍋になっていた。結果、味に深みが増しておいしくなった。豚部分の味付けはそう変わらないものの、カレー部分の味が良いとそれはそれでごはんが進む。
このとき読んだ文献の中に、 “カレースター”こと水野仁輔さんの記事がいくつかあった。
水野さんの研究はインド発祥のスパイスカレーだけでなく日本のルーカレーにも及んでいて、ざっくり読んだだけでも「家で作れるおいしいカレー」のレシピとしてかなり信頼がおけるような気がした。
その中に「家庭で作る欧風カレーの旨味は足し算」であることや、中濃ソースを隠し味に加える手順があったので今回はそれを意識してみた。
覚醒
もともと最小限の手間で、めんどくさくならない範囲でおいしいカレーを作り置きして平日に楽をするのが最初の目的だった。だから水野さんの作るカレーの中で一番簡単に加えられる手順を四回目に足した。結果はちゃんとおいしくなった。
豚バラブロックのセールは来週水曜日まで。土日は家に引きこもってずっとカレーを食べながらゲームしてたので、日曜の昼には5食を食べきってしまった。
日曜夜にまたカレーを作る必要がある。決断力の余裕はまだある。豚バラもセールで安くなっている。そして水野さんのレシピもある…。
今までの手順を振り返ってみよう。水野さんのレシピと見比べながら。
これらのcakesの記事から得られるものは非常に大きかった。特集の何回目なのかが記事タイトルから全く読み取れないことや次の記事へのリンクが見つけられないクソ同然のUIには辟易したが。
家庭の欧風カレー、インドのスパイスカレー、それらを合体させた”ファイナルカレー”までのアレンジレシピが、材料選びの段階から写真付きでふんだんに細かく載っている。マジックで言えばメインの調整録+サイドボード指南のほか、色を足したバリエーションまで載っているレベル。至れり尽くせりだ。
デッキを組むときも、複数のデッキリストを見比べているうちにデッキの芯をなすパーツが見えてくる。その中から使えそうな、そして重要そうな部分を「試して」みよう。
玉ねぎに火を入れる
今の今まで知らなかったが「飴色玉ねぎ〜」という言説はカレーを作るときの当たり前になっているらしい。前回の記事で「おっカレー作るのか、おい煮てるだけじゃねえか」って思った人がいたら申し訳なかった。だって色変わるまで炒めるとか超めんどそうじゃん。
しかしここで「野菜の旨味」と言われちゃ仕方ないし、水野さんの記事でもどのレシピでも炒めていたし。ここから新たにカレーを始めていくつもりで玉ねぎを炒めることにした。焦げてもいいから放置して火を通すのがポイントらしい。
同時ににんじんも極力細かくして同時に炒めることにした。
にんにく、しょうが、鶏がらスープの素、ハチミツ、しょうゆ、中濃ソースも加える
欧風カレーは足し算の文化。家で余った調味料を一気に使い切るチャンスでもある。賞味期限の欄はこの際あまり見ないようにすること。
入れるタイミングはルーを加えるときではなく、煮込みを開始するタイミングがいいらしい。
煮込む時間は45分
今まですぐ食べられればOKと思っていたので30分ほどで火を止めていたが、豚バラブロックを煮込む角煮やチャーシューのレシピを見ていたらどれも一時間くらい煮込んでいた。柔らかさと旨味のバランスをとるのに必要な時間はもっと長いのではないか?では煮込む時間を延ばしてみよう。
大きいところではこんなところだが、小さいところでも借金玉さんの自炊記事でじゃがいもの皮をむかずに肉じゃがを作っていたので皮むくのをやめてみたりとか、新たな時短テクも含めて手順をアップデートした。
その日、運命に出会う
1.たまねぎは薄切りを半分に切り、にんじんはなるべく細かく、にんにくとしょうがもみじん切りにする
2.フライパンを加熱し、多めの油と鷹の爪を割り入れる
3.鷹の爪を取り出し、たまねぎ・にんじん・にんにく・しょうがを入れる
4.入れてすぐに塩を加え軽くなじませた後、大さじ2杯の水を加えて蓋をし、強火で5分放置
5.豚バラブロックと、じゃがいもの皮をむかずに洗って切る。どちらも小さくなりすぎないほうがいい
6.5分経ったら火を一段階弱くして混ぜて放置、混ぜて放置をたまねぎ全体の色が茶色くなるまでやる。10-15分くらい
7.いいかな、と思ったら豚バラブロックを入れて火を通す…本当は別に焼いたほうがいいので、そんなには火は通らない
8.じゃがいもを加えて、お湯と、鶏がらスープの素、塩を加える。水分は多く入れすぎないように
9.ハチミツ、中濃ソース、しょうゆを小さじ1ずつ加えて混ぜて、弱火で45分煮る。洗い物をしたりごはんを炊いたりする
10.火を止めてルーを加える。以降もう火はつけない。ルーを入れた後蓋をして放置して柔らかくなるのを待つと楽
11.ごはんとゆで卵にかけて食べる
最初の頃の「めんどくさいには勝てない」のくだりに比べて圧倒的に手順が増えたが、この記事を書いていて手順の書き出しに一切迷わなかったほどに、出来上がったカレーはうまかった。本当に写真がなくて申し訳ない。勤務中にこっそり読みやすい記事として扱ってほしい。
とにかくうまい。前回よりも圧倒的なうま味が襲ってくる。今までは「カレー味の肉」を食べていただけでカレーを食べていなかったと言っていい。カレー部分の味わいが深い、いや単純に味が濃い。む、無限にごはんが無くなっていく。タイムマシンで10年前の自分にこのカレーを届けたらタイムパラドクスで今はお相撲さんかデブタレントとして活躍しているかもしれない。いや今もそこそこのデブだけど。
冷静に考えて不味くなりようがないというか、[たまねぎ+鶏がらスープ+塩]や[鷹の爪+にんにくしょうが]や[豚バラ+しょうゆ]や[皮付きじゃがいも+塩]など、ありとあらゆる「うま味」をブチ込んでカレールーでまとめているので、そりゃうまいのだ。食べたときも「こんなの食べたことない!!」という驚きよりも「そりゃうまいやろな」という納得の方が先に来た。
必然的にうまくなることが確定しているカレー、このカレーを
「ディスティニーカレー」
と名付けました。
慟哭、そして・・・
家に帰れば圧倒的うま味のディスティニーカレーが待っている生活はたいへん素晴らしく、定時と同時にダッシュで家に帰り19時には飯をかっ喰らったのち一人でカラオケに行ったり家でロケットリーグをしたり映画を見ながらダンジョンメーカーをしています(全部それぞれ記事として書きたいくらいやっていっています)。
あと直属の上司に平日なにしているのか訊かれて「家でカレーを作っていたらディスティニーカレーに辿り着きました」って答えたら微妙な笑いが帰ってきました。
最初の動機であるところの「お金がない」も出費が減っていったことで落ち着いてきているように感じます。クレカで遊んだり飯を食っていた時期が結構長いので本当のところは2ヶ月後にしかわからないんですけど…。
一応カレー作りのなかで気づいたポイントを挙げておきます。なぜなら後で読み返したときに自分が便利だから。
玉ねぎの片付けは速攻でやること
夏場に玉ねぎのゴミを放置したらそこは今日から「ヤツら」のダンスフロア。死にたくなければ煮る行程の間に片付けは全部済ませること。炒める前に細かく切る行程があるけど、床に落ちてないかとか本当に気にした方がいい。あとカレーづくりを一ヶ月以上続けてたら台所がだいぶ綺麗になった。使わないから汚れるんだよな。
作り置きするならじゃがいもは入れるべき
「カレー 寝かす」で検索して出てきた情報によれば、寝かしておいしくなるのはじゃがいものでんぷん部分が大きく関わっているらしい。水野さんのレシピだと一回も使ってなかったけど、アウトドアカレーをルーツにする以上じゃがいもはマストだし。皮を剥かないと長時間煮込んでも明らかに型崩れしないのもすごい良い。
作り置きするならスパイスは入れてもあんま変わらない
ここで言うスパイスは水野さんがルー代わりに使ってるような四種スパイスじゃなくて、隠し味的に入れましょうみたいな辛くする粉のやつとか。昔ヨーグルト入れすぎてカレーが酸っぱくなっちゃったときにいろいろ買ったのがあったんで試してみたけど、「二日目のカレー」には特に影響がないように感じた。
豚バラ先軟骨のカレー、うまいけど煮込みが1時間じゃ足りなかったかもしれん。今度は1時間半行こう pic.twitter.com/F4W3aQDx0e
— 鷺ノ宮 / C94金曜東パ52b (@_doublebind) 2018年7月9日
ちなみにやっと撮った最近のカレーの写真がこちらです。ディスティニーカレーには全く飽きていないものの、大阪旅行に合わせて玉置豊さんの記事を読んでいたら豚バラ先軟骨でカレーを作る記事が出てきたので僕も真似してカレーを作りました。
記事最高でしょ?おいしそうすぎでしょ?思わずSEIYUじゃなくて実家近くの肉のハナマサに寄って豚バラ先軟骨買って帰ったもんね。冷凍で2kgのやつしかなかったからまだ冷蔵庫に1.5kg以上あるけど。
僕の買った豚バラ先軟骨は最初っから刻まれてて、柔らかいのと硬いのの区別がつかなかったのでとりあえずまとめて一時間煮たけど、食べられないレベルの硬いやつが結構あって泣いた。今度は一時間半煮込んで試そう。それか圧力鍋を買うか迷っている。
(文章しかない料理の記事はこれでおわりです、読んでくれてありがとう)
(あと都内で安くて謎の部位の肉が買えるところがあったら教えてください)