阿佐ヶ谷chillout

何もないから寒い

えいがのかんそう1

シン・ゴジラ

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一年経ったので観た。劇場で観れて何より。去年観ていたら、お上の指示フローの煩雑さとかをわかりもしない日本政治の話にかこつけて偉そうに「だから政治はダメなんだよ〜」みたいに話す無知クソ野郎さん太郎になっていた可能性がある。ブームが完全に過ぎた後でよかった。デカい生き物=怖いという怪獣特撮を観る上で一番大切なことをこれでもかとわからされた。めちゃめちゃ怖い。液がもう少しキモかったらえずいていたろう。

沈黙-サイレンス-

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窪塚洋介の舞台挨拶が見たくて新文芸座に行ったら窪塚洋介が来るのは昨日だった。複雑な気持ちのまま「なんか宗教弾圧の話らしい」という事前情報のみで観たらもっと複雑な映画だった。ポストトゥルースの時代だから現代の僕らも信じたいものを信じるしかないんだよな、昔の長崎の人たちと同じでさ、みたいなことをtofubeatsのFANTASY CLUBにかこつけてよほろに話した記憶があるけど、観終わった後で一緒に食べた花田の味噌ラーメンの味しか今は覚えていない。

ビューティフル・マインド

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実話を基にしたドキュメンタリー的な映画であることさえ知らずに事前情報ゼロで観たから、仲よかった友達がみんな幻覚だと判明する驚きの他に「これ…ナッシュ均衡の人か!?」って途中で気付く驚きがあってラストシーンで感動値が最大に。途中のサスペンスシーンで赤ちゃんが大変なことになるんじゃないかとビビり、なるべく本筋と関係のないものに集中して気を紛らわそうとした結果、セーターを着たジェニファー・コネリーのおっぱいがすごい揺れてたっていう印象が強く残ってしまった。反省。

ダラス・バイヤーズクラブ

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これも事前情報ほぼなしの状態で観たら実在の人物の話だった。マシュー・マコノヘイは知らんかったけど実在のロン・ウッドリーフの写真と見比べたらもうすっごい似てると思った。あのとんでもないバイタリティーが直面する死から来るものとするか覚悟決めた男の生き様とするかで感想は変わりそう。映像的にはどう受け取ってもいいように最後まで淡々と進行していた。カウボーイっていうアメリカの伝統的な「男の生き様」を表す文化に帰結するって良さがわからないと、勝手に生きて勝手に死んだみたいな感じに見える。僕は最初わからなかったので調べて知りました。



感想文の感想

「専門卒のデブのくせに難しい映画ばっかり観てんな」って思いました。いやー映画って本当にいいもんですね。

ファミマのプレミアム肉まんを心から愛している

夏をこよなく愛し冬を心底憎んでいる僕は日本国内で一年のうちのおよそ半分を憎んでいることになるのだが、その負の感情を収めるために食に走り、結果として食欲の秋そして冬という形に毎年なる。そうして20幾年を過ごしてきた。ちなみに夏の間は夏バテ防止と称していっぱい食べる。オールシーズンのデブ。そして秋冬の到来を告げる福音こそがコンビニおでんと肉まんの登場だ。各店舗が一斉に蒸し器をレジ横に設置する中、ファミマのプレミアム肉まんは別格である。他の追随を全く許さず、半周差はゆうについていると見ていい。トシ…肉まん好きか…?僕は551蓬莱のアンテナショップが新宿高島屋で期間限定と聞けば友達に頼んで買ってきてもらい、GP神戸に行った時も晩飯直後で腹一杯なのに駅前で肉まん買って深夜バスに持ち込み次の日の朝食とした。うまい。横浜中華街に行った時も目に付いたあらゆる店で肉まんを食べ自分の中で一番うまい肉まんを決める第一回肉まん選手権を開催した。一人で。うまいうまい。一個一個がやたらとデカかったのと変わり種のエッグベネディクトまんを我慢できずに食べたりしたせいか割とすぐに限界が来てどの店が一番とは決まらなかったけど、うまい店とそうでない店があることには気づいた。プレミアム肉まんはその横浜中華街のうまい店の肉まんの味がすると思っている。しっかりと形作られた餡、単純に551蓬莱に近い皮、そしてほおばったときのボリュームでたった198円。ジェネリック551蓬莱。石川町に住んでる人以外は近所のファミリーマートでこれを買った方が絶対にいい。どう見繕っても横浜中華街へ行くまでの交通費よりも安い(横浜の地下鉄は運賃クソ高いし)。山崎まさよしだってどっかに君の姿を探しながらも小腹が空いてファミリーマート桜木町弁天橋店でプレミアム肉まんを食べてたと思う。そうして今年も夏の終わりとともに各コンビニでおでんの什器が置かれ、肉まんも一斉にスタートした。9月頭、今年も会えるはずと胸を高鳴らせてファミリーマートに滑り込んだ僕の前に、プレミアム肉まんの姿は、なかった。入荷遅れだろうか。単なる品切れ?それにしては蒸し器の正面に製品シールが貼られていない。まるで最初からいなかったかのように。嘘だ、そんな、信じられない。早足で店を出て、次のファミリーマートへ向かい、レジ前を確認する。ない。肉まんとピザまんとあんまんしかない。そんな馬鹿な。確かに考えてみれば同じプレミアムの名を冠したプレミアムチキンの骨なし/骨ありはもうない。あれも美味しかったのに。今年はファミチキの何周年だとかでチーズ味みたいなのも出ていたがそれに追われた形か。クリスマスはどうするんだ?ならばプレミアム肉まんも。そうなのか?もはや時代はプレミアムではないということなのか?嫌、嘘だ、そんな、僕はプレミアム肉まんを愛していたんだ。これからはどうすればいい?行けというのか、横浜中華街に。高い市営地下鉄に乗って、副都心線の接続で、渋谷での乗り降りに辟易しながら。店を出て途方に暮れる。この欲求をどう満たせばいい?セブンイレブンにもローソンにもプレミアム肉まんはないんだ。どいつもこいつも肉まんの上位種ですみたいな顔で角煮まんやチャーシューまんを推してくるがそんなものに何の意味があるというんだろう。プレミアムだ。この手にプレミアムを。こんなことになるんなら、月見バーガーを心から愛している例のブログのお方、あのくらいの熱量でもっと発信しておけば、いやあそこまでの熱量は流石に常軌を逸していてあのお方は夢女クラスタや二次元嫁クラスタからも一目置かれてるけどその1/10でも何か、少しでも、この想いをどこかに形に残しておけば…この声が枯れるくらいに君に好きと言えばよかった…会いたくて仕方なかったどこにいても何をしてても。トシ…プレミアム肉まん好きか…?







そしたら数日後普通に取り扱い始まってました。やったー。見つけた瞬間写真撮ったしちょっと涙ぐんだ。




今年もうまい。下にくっついてる紙の色がモスグリーン系になってたので今年の新しいロットなのでしょう。最高。はい、オレ… こわいくらいに─── プレミアム肉まんが好きです!!

日高屋を無視していた

荻窪の駅前に日高屋があるのだが脳がその存在を認識していなかったことに気づいたのはつい先日のことだ。駅前に日高屋という文面を見ただけで、なんとなく脳内には「ああどこにでもあるやつね」という反応が浮かんでくるのだが、実際に店へ入ったことはないように感じた。一度も入ったことがないわけではない…はず、と思うのだが。というのも駅前の日高屋の、僕は毎日その横を通るのだ。通勤ルート上に日高屋があって、信号とのマッチアップで行きは下振れがある、即ちその道を通らないこともあるのだが、帰りは確実に通る。毎日必ず1回、多くて2回顔を合わせているはずなのだ、この日高屋と。荻窪駅前の北口には他にも松屋、クイックガスト、富士そばと安いチェーン店が揃っている。SEIYUの裏手を抜ければマクドナルドがあり、そっちの方にはミスド吉野家もある。それらに比べれば若干値は張るがおいしいよねというお店だって荻窪にはいっぱいあるが、安いチェーン店で済ませよっかなというタイミングも必ず存在する。早い時間に終わった飲み会の後なんかがそうだ。胃はもっと食べ物を求めているがさっきまで飲んでいたアルコールの価格と、胃の空きを考えると700円の鶏白湯ラーメンとはいかない。店に入ったが最後どうせ席に着いてから煮卵をつけるか20秒くらい悩んで結局つけるから財布から消える額は絶対800円になるんだ。引き寄せの法則。だから今日は財布から使っていい額はワンコイン。でも自分の腹に今日は何腹なのかを訊いてみると、この日は明確に麺を求めている。中華由来の、卵を使った黄色いちぢれ麺を熱い油から箸を用いて救出し、それを口内へと、そして胃へと放りこみたい。そう思いながら前述した安いチェーン店から選択しようとすると、無いのだ、麺が。富士そばではダメだ。富士そばは朝焼けを見ながら食うせいろが一番うまい、って気をぬくとどんどん話が逸れるけれども、「財布に余裕がなく」「胃もそこまで空いていないが」「麺を食べたい」という条件のとき、そそくさと家に帰ってインスタントラーメンを作るか、明日こそ節制しようと心を決めながら鶏白湯ラーメンを頼み、ついでに煮卵もやっぱりつけてしまう、そのふたつしか今まで選択肢は存在しなかった。しかし先日の飲み帰りの折に、ついに気づいた。ワンコインでも夜中にラーメンが食べられる、日高屋という存在が、いたのだ。僕の通り道に。平然と、昔からそこにあったように!僕の心は感動した。長年のこの問題に終止符が打てるかもしれない。外の食品サンプルを眺め、意を決して店内に入り、全員食べ終わった後でタバコを吸いながら追加のオーダーをなにひとつしない大学生の集団によるギャハギャハという喧騒を背中に受けつつ、とんこつラーメンを注文し、ついにそれが目の前へと来て、食べる。

会計を終えながら、今度は迷うことなく鶏白湯ラーメンを食べようと思った。なんか違った、思ってたのと。よかったらどなたか日高屋のおすすめメニューを僕に教えてください。お待ちしております。

SPECを観たメモ

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・一週間かけてケイゾクから続いてSPECシリーズ全部見ました
・さすがにケイゾクから10年経ってるだけあってドラマとしての観やすさとテンポのよさが段違い
 >BGMの使い方も格段によくなってた、ケイゾクは昔すぎてどっかで聞いたようなチープなサスペンスシーンのBGMが何度も流れるたび冷えてた
・シリアスなシーンだからこそちょっとギャグっぽくするっていう部分が一見ちぐはぐにも見えるんだけど、そこにキャラクターとしての狂気や余裕を感じられるし、結果唯一無二のタイトルとして成立しててすごいと思った
 >だからこそ全員を納得させられない終わり方だったのがとても気になってしまうだが
・OP、3話くらいからEDに移ったNAMInoYUKISAKIはすごいよくて一週間くらいずっと聴いてる。やっぱMV撮ってた監督がすごいかも、印象に残りすぎ
 >でも結だと曲使ってないからキレるし、皆様御察しの通りこの後映画への文句をいっぱい書きます

・時系列順に観るの術をやってしまおうと思いSPEC零から見たけど、TVドラマの中盤でニノマエ関連の伏線がものすごく錯綜するなか、全部わかってる状態で観ることになってわかりやすくはあった
 >でも引きの強さが少し弱くなったかも。7話8話あたりで何してたか覚えてないし。海野先生がすげえインパクトあったのもあるけど
 >最近そういう作品単位でのネタバレというか伏線回収の理解順による体験の違いや差に関して面白さを感じられるようになってきた(ネタバレ全OKという意味ではなくて)
・SPEC零を先に観た事で1話単位での解決編の面白さとか気持ちよさが阻害される、ってことがなかったのがすごい
 >大きめの謎→当麻の推理→トリックの解説→瀬文さんが身体張るの構造が強固なのでそこを守ってもらうさえすればだいたい楽しめるという
 >こういう前後の文脈でグチャらないところとかに作品としての強度の高さを感じる

・でもやっぱ映画後ろ2作は問題ありすぎて本当にきつい
 >FGOとかまどマギとかストーンオーシャンとかそういう感じになってしまったせいで、そういう似たストーリーのものに比べて見たときにお粗末さを感じてしまって二重三重にきつい
佐野元春に合わせて唐突に当麻紗綾クソコラグランプリが始まってわろた
ケイゾクの感想で言ってた朝倉の謎は解けたけど最後でいうのは本当に蛇足だと思った、蛆虫のセリフだけで真人類の末裔であることがわかれば十分だったと思う
 >ただケイゾクから続投してすごく魅力的なポジションにいた野々村係長の命を奪ってしまった以上はなんらかの形で朝倉に帰結しないとダメかもっていう気持ちはわかる
・自分だったらどう最適化するかをずっと考えてる。翔から直すか天から作り直すかで変わってくる
 >結局オチとして平行世界の話に持ってっちゃうんだったら俺たちが再構築したっていいだろって思えるので良い
 >当麻の左手を封印する/しない、SPECホルダーとの絆をいつ表に出すかそれとも出さないかの見せ方をベースにもっと練る形
 >なるべくキャストを減らさない形で考えると難易度が上がって良い、こういうの考えてるだけで数日潰せそう
・久遠望戦はすごい面白かったのと見た目がかなり好みだったので翔は許したい。メガネの谷村美月があんなに良いとは…
・ちなみに見ながらずっとネロ祭を回していて、いま16箱目です
・シリーズものを追うのに少し疲れたので今週は映画とかを適当に観ます

ケイゾクを観たメモ

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・プライムビデオの9月改編期で観られなくなる作品一覧にケイゾクやSPECなどTBSオンデマンド系列の作品が沢山あるので9月は急ぎでこのあたりのドラマを観ることに
・opの印象が異様に強く好きだったのにきちんと見たことがなくチャンスを逃した回数は幾星霜
・レンタルビデオもDVDも実家のすぐ近くにあったのに毎回パッケージだけ見て満足してた、今回の視聴はかなり満を持した感強い
・実際見てみたら古い事件を解決してく形なのでグロも理不尽も少なくて飽き気味
・なんとなく自殺のイメージが強かったけど、クロニック・ラブの由来を知ってたのと、再放送かなんかで観てうっすら覚えてる8話の影響
・柴田と真山の関係性とか多分TRICKやSPECでリファインされる前なので人間関係的な面白さは最後までイマイチ掴めなかった気がする、もしくは好みの差
TRICKは本当に面白かった記憶あるけど、山田と上田も第一印象はあんまりよくなかった。全部は観てない
・結構どの話も映像の中に散りばめたヒントを回収していく形で作りはとても丁寧だった、雑な一気見は勿体無かったかも
・TV版の終わり→TVスペシャルの終わりと似た構図似た展開で映画まで引いて映画のエンディングはあんま納得いかない
・こんなにも「ケイゾク」するとは!って当時喜んでる人のHPも出てきたからそこは賛否両論、昔はTVスペシャルのち映画って結構珍しかった?
・朝倉がどうヤバかったかもっとちゃんとした説明は欲しかった、柴田の本当の父親と、爆破事件を追ってた頃の壺阪さん(の家族)に爆弾送りつけたのも朝倉ってことでいいのかねたぶん
・具体的に説明されなかったとしても多分こうだろうなと思えるくらいの情報がSPECで出揃うといいなと思ってはいるけど微妙そう
・監督的には映像美とキャラクターを描くのが優先で、設定やその後どうなったかの話には多分興味がないんだと思う
・逆にそういう設定部分ばっかり気にするのはノベルゲームとガンダムシリーズで育ったクソオタク世代だなと思った
・映像的には人体切断や血飛沫ブシャーがOKだった頃の90年代最後のドラマなのでスプラッター描写の見応えはある、ダンガンロンパくらいのグロさ
・映画版で壺阪さんの頭部を持ち帰ろうとするおばさんとそれを阻止するのに生首でラグビーパスする刑事とか2017年の倫理感で言ったらとんでもないサイコパスみを感じる、時代だな〜
グラップラー刃牙の幼年編読むたびに母親のシーンでウオッてなるんだけど同じ時代だな〜感がある
・結局OPの演出とDVDパッケージとかのコレに尽きる、少年時代に感じていた世紀末と死の具現。OPに関わっていた人をもっと知りたい
・ちなみにOPつながりで考えればわかったかもしれないけど同じくらい当時影響を受けた池袋ウエストゲートパークと監督が同じで、手のひらで踊らされてた感はすごい
・とりあえずSPEC観る

夏ビンゴを作った結果…

counterflux.hatenablog.com









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全部埋まりました。











僕はカブトを買います。

仮面ライダーアマゾンズ

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これは救いだ、と思った。
仮面ライダーは世代交代のうまくいった作品としてよくガンダムなどと比較して語られる。毎年9月の転換期を迎えるたび、変身アイテムの格好良さに少年たちは歓喜し、誰かを守るために戦うスタンスに生き様を学び、毎年刷新されるグッズ展開に玩具業界の手法を理解する。女性ファンはジュノンボーイのさらなる活躍に歓喜し、またあるファンは関係性を尊び薄い本を厚くする。特撮クラスタはコスチュームデザインを受け入れられるかどうか試され、一年通して日曜の朝にTwitterへと感想を呟き続けるだろう。そこで言うと僕はそのどれでもない。旧平成ライダーの思い出の中で生きている中途半端なファンだ。クウガの圧倒的な暗さにやられながらもPSのゲームでタイタンフォームのスーパーアーマーを喜んでいた当時から、龍騎を至宝とし、好きなライダーに響鬼を挙げることを忘れず、橘さんを愛してライダーGPは初週に見に行き、電王を音楽以外は決して許さず、ディケイドにブチ切れ、Wとオーズを手放しで褒め称えた後フォーゼについていけなくなってしまった、小林靖子井上敏樹を神とするファンだ。新平成ライダーがそのシリーズを年々増やしていく中、仮面ライダーの持つ本質的な暗さ(敵の技術で人体改造されたのにその力を使って他の改造人間を殺す)と、40話以上の時間をかけて作り上げた関係性を最終話でカタルシスに全て変換するヤバさは見られなくなった。鎧武はその暗さが結構な割合で継承されてるっぽい雰囲気を感じてはいるけどアマゾンプライムにないからまだ見てない。ともかく仮面ライダーには世代交代のシステムがある。僕がフォーゼでついていけなくなったのもある意味卒業の一つの形であって、作品のあり方としては間違ってはいない。子供達に毎年希望を与え(時には摘み取り)、結果としてバンダイの玩具が売れればそれでいいのだ。だというのに「仮面ライダーアマゾンズ」は、昭和ライダーの暗さに当てられてこじらせた人と、旧平成ライダーで育ってしまった人向けに、グロさと生命の軽さをマシマシにした特盛の、そして極上の一杯だった。人間ではないと自らの存在を認めながら人間を守ろうとする意思。自己犠牲を顧みずに歪すぎる生き方を選んでしまった男。たった一人のために存在の全てを賭けて生きようとする在り方。555のたっくんを、アギトの涼を、オーズの映司を、ブレイドの剣崎の最期を、平成ライダーで感じたものと同じ空気とカタルシスみをこれでもかと味あわされた、心動かされっぱなしの全26話(シーズン2まで)だった。これは救いだ、僕にとっての。登場人物が救われないストーリーを見せつけられることが、確かに救いとなっていた時期があった。シーズン1は感情と境遇を懐かしみながらエスカレートしていくヤバい描写にやられ、シーズン2は設定も描写もはるかにぶっ飛んでいてずっとスペースキャットの猫みたいな表情でエアロバイク漕ぎながら観てた。これだけ楽しませてもらいながらプライムビデオの見放題で実費はゼロ、主題歌とサントラはAmazonミュージックで配信されているとお金の落とし所がないので、せめて少しでもこの作品を広めようと思いうまいこと書こうと思ったらこんな感じの文量になりました。ありがとうAmazonプライム、ありがとう東映、ありがとう小林靖子神。個人的に一番心動かされたのはシーズン2の2話で千翼が変身するシーンで、「明確な個人を守るために決意し戦う」ことが個人的にはすごく…好きって言葉で表現していいのか、そういう気づきがありました。仮面ライダーキバは明確にクソだし誰にも勧められないんだけど過去編で何よりも自らの愛のために戦った紅音也が本気で格好良いことと、そのキャラクターソングの「This love never ends」が自分にとって特別であることが逆説的に証明されてよかった。予算と表現のニチアサリミッターを外しダークみを目指して作られたという点で限りなく牙狼や人造人間ハカイダーに近く、逆にアマゾンズがよかった人はそれらを観るのもいいと思います。牙狼は一期しか観てないんだけどそれも「一人を守る」話ですごく良かった、ただ調べるとパチンコ情報がめっちゃいっぱい出てくるので疲れる。好きなものを好きでいつづけることは難しい。ただ自分が追えなかったものが急に、一番好きな状態のまま目の前に現れることもあると。シーズン3を待っていますがプライムビデオの番組でぽんぽんと新シーズン突入してるのドキュメンタルくらいだと思うし、待ってるだけで続きが製作されるかどうか全くわからないけど。新しいシグマタイプ、一体何者なんだ…。とりあえず今週からの仮面ライダービルドを応援すっか!てかビルドの設定めっちゃジョジョリオンだよね!?突如隆起した壁によって分断された地域、記憶喪失の主人公、そして異なる「二つのもの」を「混ざり合わせる」力…絶対まとめてる人いるだろと思って検索したもののちゃんと言及してる人がいなかったのでとりあえずこの話は置いておきます。とりあえずAmazonプライムに登録してて少しでも興味のある人はアマゾンズを観た方がいい、全員。グロいのがダメな人以外には手放しでオススメ。一緒にハンバーグ食べられなくなったりウォーターサーバーの水を飲めなくなったり耳鼻科に行けなくなったりしましょう。


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